ピン (พิณ)のピック
以外と重要なピック選び
ピンに弦を張るとよく切れます。
本当によく切れます。タイに行く前はこれがピンを演奏している時の悩みでした。
長時間連続演奏することが当たり前な音楽なのでイサーンの10時間連続ラムシンライブとか、休み休みの演奏だとしてもどうやって弦と、腕の筋肉をキープしているのか不思議でした。
今回は簡単なことですが弦切れ、腕の疲れ防止のピン向けピックを紹介します。
大切なのは厚さと素材
エレキギターの早弾きの場合厚めのピックを使うことが多いと思います。
例えばJAZZ Ⅲとか
イングウェイモデルピックは2mmもあります。
自分も初めはギターと同じ要領でギブソンのピック一番分厚いやつでゴリゴリ弾いていました。
ピンはギターよりもショートスケールかつ、解放をエレキギターの1st弦でGを鳴らすのでテンションはカチカチ。
そこにカチカチの厚いピックで弾くので腕は疲れるし、弦はすぐに切れました。
しかし、ハリのある音を目指しての太い弦を厚めのピックで弾くことをしていました。
それはタイに行って知ったのですが間違いでした。
逆の発想で、ピンではペラペラピックで弾きます。厚さはギブソンのTぐらい薄い方がいいです。もっと薄くても大丈夫です。
ペラペラピックは弾いてみて気づいたのですがメリットだらけです。
ペラペラのメリット
- 弦が切れにくい
- 長時間(1〜2時間)演奏しても腕が疲れにくい
- 弦を弾く音がはっきりする。
特に音が今まで厚めのピックで弾いていた時よりもよくなった点に驚かされました。ピックを変えるだけで一気にイサーンサウンドに!!弦を弾く瞬間のパチーンとした音が強調されイサーン感が増強されます。
憧れのパチパチサウンド
エフェクターよりも、楽器よりも何より効果があります。エレキギターでペラペラを使ってピンのフレーズを弾くだけでほとんどイサーンサウンドです。
長時間演奏するには素材も重要です。
ロックスターみたいにピックをポイポイ捨てて弾くなら何でもいいかもしれませんが経済的に長く使える方がいいですよね。
ペラペラピックのデメリットは
- ピックの消耗が激しい。
- ピックが割れる。
- 弾き心地が厚いピックと大きく違う。
他にもあると思いますが、デメリットのピックの消耗と、割れは素材でかなり解消されます。
タイで初めてピンを買った時につてきたアニー◯ールー激似ピックが薄く弾きやすかったのですがバキバキと割れてしまいました。
そこでペラペラピックの問題を解決してくれる最適な素材はナイロンです。
ナイロンはあまりエレキギターでは使いませんね。楽器屋でも置いている数が少ないちょいマイナーなやつですがピンには最適です。
ナイロンピック特有のダイナミックなしなり。これが高いテンションで貼られた弦をうまく受けて割れを防いでくれます。
ピン専用ピックJim Dunlop 0.53mm
赤色のナイロンピック楽器屋でこれを見つけたら買い占めちゃってください。
厚さ素材とピンに最適。最高のピックです。Jim Dunlop製なのでおそらく世界中で取り扱われてるのでどこでも買えてしかも安い。
タイに行った時これを使っている人はかなり多かったです。現場での実績豊富なピン専用ピックです。
最後に
ピックの種類はほとんど個人の好みだと思いますが、Jim Dunlop 0.53mm ぜひ試してみてください。結構変わると思います。
トンサイ氏などベテラン勢はピックも変なものを使っていそうなのでまだまだ不明な部分が多いです。気になりますね。
今回は何でも良さそうだけど重要なピックの記事でした。
ピン (พิณ)定番フレーズ(その12)
定番キメフレーズ
タイ、イサーンの民族音楽にもロックバンドのようなキメがあります。
みんなで一斉にジャッジャと合わせるやつです。
『ロックバンド キメ』で検索して一番上に出てくるZAZEN BOYZの演奏
イサーンにもこんなにかっちりとはしてませんが、頻出の定番キメがあります。
今回はそれをご紹介。
やんわりキメるフレーズ
・譜面で見やすいようにAmキーにチューニングしたピン(1st E,2nd A,3rd E)で演奏した場合に転調しています。
とても簡単なのですが、即興的に演奏される音楽ではお互いに意思疎通ができていないと、結構間違っちゃたりします。
最後の休符を含む部分がメンバー全員で合うとカッコ良さそうですね。
このキメにはいろいろな派生したものがあります。
演奏を聴いてみる
ลายฝึกการเล่นเปลี่ยน 3คีย์ แบบง่ายๆโดยแต๊ก ลำเพลิน
4:55〜
この演奏のピンはCm(1stG,2ndC,3rdG)にチューニングされています。
3:30〜
タイのCD屋さんに行くと大抵置いてあるVCDより
この演奏は派生型がたくさん出でくるので楽しいですね。さすが再生回数5百万越え!
หลอยฮัก - หญิงลี ศรีจุมพล 【OFFICIAL MV】
0:45~
ラムシンでもつかわれてますね。今日まで受け継がれているベタねフレーズです。
タイ民族楽器ピンのチューニングについて
ピンのチューニング問題
youtube やタイで買ってきたCD、mp3でピンの演奏をコピーしようとするとうまくいかないことがあるかと思います。
だいたいその原因はチューニングが違うからです。
ピンを演奏する上で外せないチューニング問題今回はそのことについて書いていこうと思います。
ピンのチューニングの基本
ピンのチューニングは基本的に3弦4フレットと2弦開放、2弦5フレットと1弦開放が同じ音というバランスは変わりません。
またピンで使用されるスケールは基本的にマイナースケールで、2弦の開放弦の音の名前で決まります。
Cmスケールの場合は2弦開放をCに合わせます。そこから上下の弦の音合わせていくわけですね。
代表的なチューニング
Amチューニング(1弦E,2弦A,3弦E)
今一番ポピュラーなチューニングです。古典からラムシンカバーまで様々なジャンルで多用されています。教則もこれを基本として楽譜が書かれていたりします。また初心者向けピンに貼ってある音階名シールもこれ前提としたものがほとんどです。
注意する点は実際にはF#がなっているところも、Fと呼ばれることがほとんどです。
括弧で囲っているナチュラルのFは頻繁には登場しないので、F#がFと呼ばれるようです。
เสียงพิณ ฟังเพลินๆ ไพเราะม่วนๆ อ.ทองใส ทับถนน ศิลปินแห่งชาติ Isan performs
Cmチューニング(1弦G,2弦C,3弦G)
現代的なLampernスタイルの中で多く使われています。
Amをそのまま全弦1音半上げたものになります。演奏される音域はレギュラーチューニングのギターよりも高くなり、弦のテンションも高くキレのある響きが特徴です。
今回も注意が必要ですチューニングを変えても音の名前は変わりません。ですので実際にでる音が変わってもピン演奏者同士ではAmスケールの時と同じ名前で押さえるフレットを指示したりします。
เปิดข่องวงพิณห่าวบ่าวอีสาน【Esarn-Lampern】
チューニングのあれこれ
この二つのチューニングを基準と考えれば大半の曲は弾けるかと思います。
youtubeなんかを見て演奏を練習する場合は開放弦の音をさがしてチューニングを見極めるとやりやすいです。特にハイフレットで演奏になると必ず2弦開放が出てくるのでそこから音をとると簡単にできます。
今回紹介したものの他にもA♭m、Bm、Fmなんかもあります。ピンを練習する際はまずお手本のチューニングを知るということから始めましょう。
タイ民族楽器ピン定番フレーズ(その11)
超定番つなぎフレーズ
ลำเพลิน4ภาค เหมาะสำหร้บมือใหม่หัดเล่นลายลำเพลิน ทางเดินของลายพิณ
11:30-11:48部分
今回もピンを弾く上で欠かせないフレーズですね。
何度も登場するのですが以外とバリエーションは少ないので覚えてしまいましょう。
弾いてみる
上の動画の場合は1弦G 2弦C 3弦Gのチューニングになっているので上譜面のようになります。
もう一つの一般的なチューニング1弦E 2弦A 3弦Eの場合はこのようになります。下の音源はそのチューニングで引いた場合の音源になります。
わずか9小節ほどですがこの中に3パターンのフレーズがあります。それの順番を即興的に入れ替えることで構成されています。Cのフレーズは何度も使用されていますがC’、C”と少し変えたものを使用することでフレーズの連続使用の違和感を和らげています。
最後に
早いピンのフレーズもゆっくり弾いて演奏することで見えてくるものがあります。早い曲もせわしなくて、いかにもタイらしく格好いいのですが、ゆっくりと演奏するの味があっていいかもしれません。
タイ民族楽器ピン定番フレーズ(その10)
ストリートで演奏された曲をさらに習得
0:40-1:29部分
ピン音楽は大抵ストリートで演奏されます。
歩道も車道も関係ありません。どこでも爆音で演奏します。
2016年10月の今現在、タイ国王の死去で一般市民も服喪期間となっております。
このド派手な演奏はどうなったのでしょう?SNSでのライブ動画の数が減っているので控えられているのかもしれせん。
曲フレーズを弾こう
今回は1分弱の曲になります。
三部構成となっています。
チューニングは1弦からGBGで演奏されています。
最後に
しんみりムードのタイですが、難しい人もいるかもしれませんが、以前のように元気で明るくド派手なタイに戻って欲しいですね。
ライブ情報
ヘブンアーティスト東京にピンの演奏で出演します。monaural-mini-plugというバンドです。
10月23日(土)上野公園12時より(ウォーキングで演奏します、演奏時間未定)
10月24日(日)上野公園14時(児童遊園付近で30分程度演奏)16時(すり鉢山で30分程度演奏)
タイ民族楽器ピン一発ネタフレーズ
ピンで弾けないものはない!
今回は民族楽器ピンの全然伝統的でない演奏を取り上げます。
ピンは歴史とともに電気化され、エフェクトがかけられ、演奏する曲のバリエーションも豊かになりました。
特に演奏する曲は、ルークトゥン、モーラムのヒットソングはもちろんなんでも流行りものなら演奏されます。
保守的な演奏者からは反対の声もあるようですが、でもやっぱりみんなで盛り上がりたいタイ、イサーンの人たちは伝統的な楽器を使って器用になんでも演奏しちゃいます。
このように時代の流れに乗ってピンはうまく現代まで続いているのです。
無理やり弾いてしまえ!
ピンはギターのように半音階ずつフレットが打っていないので、出せない音がたくさんあります。そこを無理やり、なかったことにするアレンジテクニックが今日のピン演奏者に求められます。
今回はピンの中でも珍しいロックのアレンジです。
The Final C●untd●wn 風
ลาย ยำมั่ว 3 ช่า โดย แต๊ก ลำเพลิน
チューニングは(1弦G、2弦C、3弦G)
器用に細かいところ飛ばしてピンで演奏しています。
このベタな激ダサイントロの後に全然関係ない本編がおもむろに始まるのって、タイっぽくていいですよね。
タイ民族楽器ピン定番フレーズ(その9)
課題演奏完結編
0:26〜1:40部分
今回はこのブログの下の記事をまとめた仕上げになります。
演奏を通して弾く
今までブログで紹介したフレーズを通してこのような感じになります。
結構見づらい感じになってますが、そこは前回記事参照でおねがいします。
1分程度ですがこの曲は大抵ピンの古典的な演奏の場で演奏されるので、イサーンに行けば耳にすることがあるかと思います。
他の演奏例も見ていきましょう。
他の演奏
บ้านเสียงพิณ กลองยาว อ.ทองม๊าด ไหว้ครู
終わりに
今週は一週間を通して一つの古典的な演奏を譜面にしてみました。
採譜に関して少し変なところがありますが、ご了承ください。