ピン音楽を構成要素を踏まえて聴く。
実際に構成を聴き分けてみる
前回の投稿で、タイ伝統楽器ピンの音楽の4大構成要素について解説しました。
これを踏まえて実際の演奏を聴いていきたいと思います。
今回はこちらの演奏を解説します。
แต๊ก ลำเพลิน บรรเลงพิณ งานผ้าป่ามือพิณ อ.ลืออำนาจ จ.อำนาจเจริญ
少し地味ですが基本的な演奏スタイル(Lampern)なので取り上げました。
※演奏は1:06から始まります。
構成要素を踏まえて聴く
この演奏を前回の4大要素を踏まえて聴くと下図のようになります。
これを見ながら聞くと「つなぎフレーズ」と、「曲」の切れ目がわかるかと思います。
しかし、この動画以外の演奏を始めて聞いた時、フレーズの切れ目がわかりにくいかと思いますので、再度、「つなぎフレーズ」と、「曲」の聴き分けについて解説します。
つなぎフレーズの特徴
このフレーズは曲と曲をつなぐものなので、一回の演奏で何度も繰り返し聴くことがあります。
この演奏の場合
2:28〜3:07
4:55〜5:26
で、似たフレーズ、同じフレーズが何度も使われていることがわかります。
これを、「つなぎフレーズ」として理解していくと、演奏の構成が徐々に解読されていくかと思います。
「曲」部分の聴き分け
こちらの方が聴き分けやすいです。
最大の特徴は、演奏を通して1回程度しか使用されないという点です。
図で解説した演奏を見ても、「曲」部分は各1回づつしか演奏されていないのがわかるかと思います。
次の特徴は、ロングトーンが多い点です。
ピンは基本トレモロピッキングで音の隙間を埋めていくのですが、曲部分では例外的に曲を表現するためにロングトーンが多用されます。
下の動画の場合、0:57から早弾きが伸びのある「曲」部分になっていることがわかると思います。
終わりに
当ブログでは構成要素「つなぎフレーズ」や「曲」と呼んでいますが、他にタイ語などで、もっと正しい呼び方があるかともいます。内容も他の解釈ができるかもしれません。当ブログの情報は私がタイで教わったものが中心なので、流派によって考え方が違うものがあるかと思います。その際はどうぞご指摘をお願い致します。